この記事では、レンタルサーバー選びに迷っている方に向けて、法人向けサーバーと個人向けサーバーの違いを解説します。
結論から言うと、法人向けと個人向けとでは「サーバーの運用体制」や「サポートサービス」に若干の違いあります。
そして、どちらかと言えば、法人向けは安定性重視、個人向けは性能重視です。
ただし、法人向けと個人向けの境界線はとても曖昧で、同じ価格帯で比べると、性能面に違いはほぼありません。
むしろ、性能のみを比べると法人向けの方が劣り気味です。
サーバーの選び方に関しては「もう迷わない!レンタルサーバーの正しい選び方【5つのポイント】」で解説していますが、法人向けと個人向けの「違い」を知っておいて損はないと思います。
法人向けサーバーと個人向けサーバーの違い
法人向けサーバーには、個人向けサーバーと比べて次のような特徴があります。
- その1:サーバーの負荷を分散する運用体制がある
- その2:無料で依頼できる代行サポートがある
- その3:認証レベルの高い独自SSLが利用できる
※サーバー各社の取り組みはそれぞれ異なるので、全ての会社に当てはまるわけではないです。
それぞれ解説します。
その1:サーバーの負荷を分散する運用体制がある
法人向けサーバーでは、サーバーダウンや503エラーを防ぐために以下の運用体制を敷いています。
- 運用体制1:Webサーバーとメールサーバーを分離運用
- 運用体制2:独自ドメインの取得数を制限(マルチドメイン)
運用体制1:Webサーバーとメールサーバーを分離運用
Webサーバーとメールサーバーを分離した運用体制は、サーバーの安定供給に繋がります。
Webサーバーとメールサーバーが同じサーバー内にあると、どちらかにトラブルが起こった際、どちらも利用できなくなる可能性があります。
他にも、、、社内のグループメールを経由したサイバー攻撃を受けたとしても、提供しているWebサービスに影響がなければ、被害を最小限に抑えることができます。
サーバーの分離運用にはこのようなリスクを未然に防ぐ役割があるのです。
運用体制2:独自ドメインの取得数を制限
個人向けのサーバーでは、取得できるドメイン数に制限を設けていないことが多いのですが、法人向けでは「あえて」取得できるドメイン数に制限を設けています。
理由としては、同じサーバー内に同居するいくつもの他社サービスが膨大なトラフィックを集めていた場合、契約主のサービスにも悪影響を及ぼす可能性があるからです。
ドメイン数に制限を設けることで、サーバーへの負荷を分散することできるのです。
個人向けサーバーのように、ドメイン数が無制限ではないからといって、決して性能が悪いわけではありません。
例えば、シックスコアのS1(月1,800円)プランだと5個、CPIのシェアードプラン(月3,800円)だと10個です。
個人向けだと月1,000円前後のプランで無制限です。
その2:無料で依頼できる代行サポートがある
法人向けサーバーでは、サーバー会社が契約主に代わって、各種設定を代行するサービスを提供しています。
具体的な代行サービスは、主に以下の内容になります。
- サーバーの移転
- プラブラムのインストール
- プログラムの初期設定
- メールアカウントの設定
- サーバー内のデータ削除
- コントロールパネルの設定など
依頼できる回数には月あたりの上限が決められていて、月3〜5回がよくあるパターンです。
技術的な不具合を修正したり、プログラムを改善するようなサービスではないので、個人向けサーバーとの違いではあるものの必要性は薄いです。
あくまでも契約主が管理画面上でできる設定を代わりに行う程度です。
その3:認証レベルの高い独自SSLが利用できる
法人向けサーバーでは、認証レベルの高い企業認証SSLとEVSSLを有料オプションとして取得することができます。
個人向けサーバーでもEVSSLまでを取得できる会社はありますが、たいていはドメイン認証SSLまでしか取得できません。
メディア運営ならドメイン認証SSLで十分ですが、ECサイトを運営するなら企業認証SSLは取得したいところです。
独自SSLに関しては「【基本のき】独自SSLとは?無料SSLと有料SSLの違いもわかりやすく解説」で詳しく解説しています。
【基本のき】独自SSLとは?無料SSLと有料SSLの違いもわかりやすく解説
「法人向け=個人向けより優れている」ではない
繰り返しになりますが、「法人向け=個人向けより優れている」ではありません。
数年前までは確かに法人向けと個人向けで比べると、バックアップ体制やセキュリティ対策に優劣がありましたが、今では格安レンタルサーバーでない限り個人向けも法人向けも大差はないです。
どちらかと言うと、法人向けか個人向けかでサーバーを選ぶより、利用用途から逆算した方が適切なサーバー選びができます。
なお、メディア運営に限って言えば、個人向けなら「エックスサーバー」か「ミックスホスト」、法人向けなら「シックスコア」か「CPI」がおすすめです。
というわけで以上です。